「鼠径部」は身体のボトルネック
- shigezou
- 18 時間前
- 読了時間: 6分

「股関節の可動域が狭く、あぐらが窮屈」
「コア(お腹の奥)が常に緊張状態でロックされている」
「睡眠の質は悪くないはずなのに、起動時(朝)からパフォーマンスが低い」
「首・肩の凝りが慢性的で、局所ケアではすぐにリバウンドする」
「腰の深層に、鈍い重さが居座り続けている」
一見、別々のエラーに見えるこれらの不調ですが、
実は身体の
「サーキュレーション(循環)」と「コネクティビティ(つながり)」
という共通のシステムエラーが潜んでいるケースが多々あります。
当院では、鼠径部(足の付け根)を単なる関節の一つとしてではなく、腹部と下半身をつなぐ“身体循環のハブ(重要拠点)”として定義し、評価の最重要ポイントに置いています。
1.鼠径部は身体システムの「ハブ」である

※新日本延命学ではリンパ球を球と呼び、それに付随する筋を運動神経筋と呼ぶ。
鼠径部には、生命維持に関わる重要なラインが密集しています。
体液循環(リンパ等)の回収・運搬ルート
静脈血を心臓へ戻す還流システム
下半身を制御する神経ネットワーク
腹部~骨盤~脚へと続く、筋膜(ファシア)の連続性
ここが「ボトルネック(滞り)」となって閉じてしまうと、
脚単体の問題にとどまらず、お腹・骨盤・腰・背中の機能にまでバグが生じます。
いわば、高速道路のジャンクションが封鎖されれば、
はるか手前の道路まで渋滞が伸びるのと同じ理屈です。
「首や肩の重さ」や「深層の腰痛」の原因が、
実は鼠径部のロックにあるというケースは、
構造的に見れば決して珍しくありません。
2.「呼吸」というOSの状態が影響する

身体の循環システムは、
心臓のポンプ機能だけでなく、
呼吸による横隔膜のピストン運動に強く依存しています。
しかし現代人のライフスタイルは、
高ストレス環境による浅い呼吸
長時間のデスクワーク(座位固定)
食生活の乱れや内臓疲労(内部炎症)
こうした条件が重なり、
横隔膜という「メインエンジン」の出力が低下している方が非常に多いのが現実です。
呼吸が浅くなると、
身体は姿勢を維持するために別の筋肉を固めて代償しようとします。
その“しわ寄せ”が最も蓄積しやすいレイヤー(層)の一つが、
座位で常に圧迫されている鼠径部なのです。
3.身体は「ひとつのユニット」としてリンクしている

当院では、身体をパーツの集合体ではなく、
「首からコア、骨盤、脚へと続くシームレスな連続体」として捉えます。
そのため、 「首へのアプローチだけでは解決しない」状態が、
「鼠径部や骨盤周辺の制限を解除することで、首の可動性が劇的に改善する」
という現象が起こります。

これは「首の原因=脚」という単純な話ではなく、
下部構造(骨盤〜鼠径部)のロックを外すことで、
上部構造(首・肩)を下に引っ張っていたテンション(張力)
が解除されるというメカニズムです。
腰痛に関しても、腰そのものではなく、その土台である骨盤〜鼠径部の「固定感」をリリースすることで、腰部の機能不全が解消されるケースが多く見られます。
4.【重要】深層レイヤーへのアプローチは“痛みを伴う”ことがあります
ここは正直に共有させてください。
当院の鼠径部アプローチは、ある程度の「痛み」を伴うフェーズがあります。
「完全無痛の施術」ではありません。
ただし、これは組織を破壊するような危険な痛みではありません。
神経や血管が密集し、長年の緊張で癒着した「深いレイヤー(深層)」にアクセスするため、独特の響きや圧痛を感じやすくなるのです。
もちろん、
痛みの質(鋭利すぎないか)
呼吸が止まるような拒絶反応が出ていないか
これらを常にモニタリングし、安全な範囲で刺激量をコントロールします。
目的は我慢することではなく、詰まったラインを開通させ、組織の滑走性(スライド)を取り戻すことにあります。
5.施術後は「リカバリー(回復)フェーズ」に入ります

鼠径部というハブを開放した後、
一時的に強いだるさや眠気を感じる方がいらっしゃいます。
これは、身体が「緊張モード(交感神経優位)」から、急速に「回復モード(副交感神経優位)」のフェーズへと切り替わる際に起こる反応です。
滞っていた流れが一気に動き出すことで、
身体内部では「情報の処理」や「再調整」のタスクが増加し、
システムが強制的に休息を求めている状態と言えます。
(PCのOSアップデート後に再起動が必要な状態に近いイメージです)
この反応には個人差がありますが、当院ではこの「リカバリーフェーズ」が訪れることを前提に、施術プランを組み立てています。
6.目的は「自律的にリカバリーできる身体」へのアップデート

この領域の調整は、一度で全てが完了する魔法ではありません。
呼吸の深度を取り戻す
コア(腹部深層)の緊張を解除する
骨盤周りのスタック(固まり)をほどく
鼠径部のボトルネックを解消し、下半身の土台を安定させる
これらを積み重ねることで、
「睡眠によってダメージがリセットされる身体」
「パフォーマンスが持続する身体」
へと、身体の基盤をアップデートしていきます。
結果として、
「疲労の抜け方が変わった」
「腰や背中の不快な重さが減った」
「睡眠の質(深さ)が向上した」
といった、全身のコンディション変化へとつながっていきます。
まとめ
鼠径部は単なる脚の付け根ではなく、
身体全体の「フロー」と「リンク」を司る要所です。
当院では、筋骨格系のアプローチにとどまらず、
呼吸システム・内臓の緊張・神経系のスイッチングも含め、
身体をトータルなシステムとして評価します。
脚の付け根に違和感や詰まりがある
コアが硬く、呼吸が浅い感覚がある
首・肩・腰の不調が慢性化し、対症療法では限界を感じている
休息を取ってもパフォーマンスが戻らない
そんな方は、局所的な修理ではなく、
“コアと呼吸、
そして鼠径部”を含めたシステム全体の見直しが必要なのかもしれません。
身体は、壊れた部品を取り替える機械ではありません。
一つの場所だけを直しても、全体のつながりが変わらなければ、
同じ負担は再び戻ってきます。
だからこそ当院は、「どこが痛いか」ではなく、
「どこで流れが止まり、どこで連動が途切れているのか」を見ます。
もし今、
「原因が分からない重さ」
「抜けない疲労」
「繰り返す不調」に悩んでいるなら、
それは身体からのエラーメッセージかもしれません。
局所の修理ではなく、身体全体のシステムを再起動させる視点を持つことで、はじめて変わり始めることがあります。
円命堂は、その再起動のスイッチを探す場所です。
※当院は医療機関ではありません。
診断や治療行為を目的とするものではなく、身体の機能評価に基づき、コンディションを整えることを目的としています。
急性症状や激しい痛みがある場合は、まず医療機関をご利用ください。
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