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間質性肺炎と「線維化」

― もう進んでいるからこそ、大切になる“流れ”のケア ―

間質性肺炎のような病気では、肺の組織が少しずつ**硬く変化(線維化)**していくことがあります。

この「線維症」は、いったん進むと元に戻すことが難しいといわれていますが、だからといって何もできないわけではありません。
「進行をできるだけ緩やかにすること」
「残された組織の力を最大限に引き出すこと」は、今からでもしっかり取り組むことができます。

からだの中で起きていること

線維症が進む背景には、炎症の長期化やリンパの滞りが関係しています。
炎症が続くと、体の中では次のような流れが起こります:

  • タンパク質を含む液体が組織にたまりやすくなる

  • 白血球(免疫細胞)が集まり炎症が繰り返される

  • 炎症性の物質が出続け、線維を作る細胞が刺激される

このような状態が重なると、組織は硬くなり、本来のしなやかさを失っていきます。
それが肺で起きると、息苦しさや呼吸機能の低下として現れてしまうのです。

今からできること ― “流れ”を整える意味

 

線維化した組織そのものを元に戻すことは難しいとしても、周囲の環境を整えることで「進行のスピードをゆるめる」「残された部分の働きを助ける」ことは可能です。

その大切なカギが、「リンパの流れ」です。
リンパは、体の中で出た炎症物質や老廃物、余分な水分を排出する“排水システム”のようなもの。これが滞ると、炎症が鎮まりにくく、線維化が進みやすくなります。

逆に、リンパがスムーズに流れる環境が整えば、

炎症が落ち着きやすくなる

組織への負担が軽くなる

周囲の細胞が本来の働きを発揮しやすくなる

といった、からだ本来の力を引き出す土台が整います。

🩺 整体でサポートできること

 

整体では、「今ある力を最大限に活かす」ことを目的に、体全体のリンパの流れや循環環境を整えていきます。
それにより、炎症が起こりにくく、線維化が進みにくい体内環境へと近づけていくことが期待できます。

すでに間質性肺炎と診断を受けている方でも、

体の重さや呼吸のしづらさが少しずつ軽くなる

日常生活の動作が以前より楽になる

息切れの進行がゆるやかになる

といった変化が見られることがあります。

(1)呼吸がしやすくなる身体づくり

 

肺が硬くなると、周囲の筋膜・肋骨・横隔膜も緊張しやすくなります。

オステオパシーでは

・肋骨の可動性

・背骨(胸椎)のしなやかさ

・横隔膜の緊張

・肺を包む膜(胸膜・後縦隔の膜)

の動きを丁寧に整えます。

 

▶「息が入りやすい」「胸の圧迫感が減る」と言われることが多いです。

 

(2)リンパと静脈の流れ改善

 

肺の炎症には「老廃物の滞り(うっ滞)」がつきものです。

リンパの通り道(特に胸管まわり)が整うと

炎症物質の処理

むくみの軽減

免疫バランスの正常化
が期待できます。

特に
前胸部・鎖骨下・肋骨横のリンパ の改善は、肺の負担を減らす重要なポイント です。

 

(3)自律神経の安定

 

呼吸器疾患はストレスで悪化しやすい傾向があります。

オステオパシーは

迷走神経(副交感神経)

横隔膜

頸部の神経反射
を和らげる技術が多く、自律神経の安定につながります。

▶「よく眠れる」「息苦しさが減る」「疲れが抜ける」などの声が多いです。

 

(4)全身の連動を整え、身体の負荷を軽減

 

肺が弱ると、背中・肩・首まわりに緊張が出やすく、
姿勢も前かがみになりやすいです。

オステオパシーで全身を立て直すことで

呼吸筋の負担を軽くする

運動時の息切れが減る

疲労しにくい体に変わる

など「日常生活の質」を高めるサポートができます。

 

当院のスタンス(大切なこと)

当院は 間質性肺炎そのものを治療する場所ではありません。

ですが、
“身体が治ろうとする力” を最大限引き出すサポートは確実にできます。

医学的治療と併行しながら

呼吸しやすい体づくり

免疫の土台作り

炎症を静める生活習慣
を整えることは、患者さんにとって大きな助けになります。

 

諦める必要はありません

 

「線維化=元に戻らない」という言葉だけが一人歩きしてしまうと、不安だけが大きくなってしまいます。
でも大切なのは、「今の状態で、何ができるか」という視点です。

リンパの流れを整え、体の環境をよい方向に導くことで、回復力は今からでも高めていけます。
その積み重ねが、呼吸のしやすさや生活の質(QOL)を守る大きな力になります。

 

希望を持って取り組むためのポイント

 

線維化そのものは簡単に元に戻せなくても、進行をゆるやかにする力は自分の体にあります。

 

リンパの流れを整えることで、炎症や老廃物の滞りを減らし、体の負担を和らげることが期待できます。

 

小さな変化の積み重ねが、「呼吸のしやすさ」「日常生活の快適さ」を支えることに繋がります。

体は、正しい環境が整えば今からでも変わっていけます。

あきらめず、少しずつ「本来の力が働くからだ」を取り戻していきましょう。

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