#01 画像診断が届かない、隠れた4つの経路 血流軸
- 3月21日
- 読了時間: 3分
肝臓が腰痛・坐骨神経痛を引き起こすメカニズム
門脈から内椎骨静脈叢まで

「朝起きたとき腰や脚が特に重くて、しばらく動いていると楽になる」
こういった症状のある方が来院されることがあります。
動くと楽になるという特徴から「筋肉が温まるからだろう」と思われがちです。
しかし施術の観察として、このパターンには肝臓周囲の組織の状態が関係していることがあります。
肝臓と腰痛、一見つながりがなさそうですが
「肝臓が悪いから腰が痛い」という話ではありません。
肝臓の機能が低下したり、周囲の組織の滑走性が落ちたりすると、肝臓内の血流が妨げられることがあります。
すると血液は本来の流れとは逆方向へ向かいはじめます。

その経路をたどると
肝臓内の血流障害
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門脈への逆流
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下腸間膜静脈
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上直腸静脈
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内腸骨静脈
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総腸骨静脈
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内椎骨静脈叢
内椎骨静脈叢とは、脊柱の中を縦に走る静脈の網のことです。
椎間静脈を通じて総腸骨静脈と連絡しており、上記の経路で鬱血が及ぶと、この静脈叢が膨張します。
その結果、神経根・脊髄・後縦靭帯が圧迫・刺激を受けやすくなり、腰の痛みや脚のしびれ・だるさとして現れることがあります。
「朝に強く、動くと楽になる」の理由

夜間に横になっている間は、重力の影響がなくなるぶん静脈内の血液が滞留しやすくなります。
そのため朝起きた直後に鬱血の状態が最も強くなり、痛みやしびれも強く感じられることがあります。
動き始めることで筋肉のポンプ作用が働き血流が改善されると、症状が和らいでいく——このパターンが「朝に強く、20分ほど動くと楽になる」という経過として現れることがあります。
肝臓周囲で観察していること

肝臓は右の第5〜10肋骨の裏側に位置し、肝鎌状間膜・肝円索・肝胃間膜といった組織によって横隔膜や腹壁と連結されています。
これらの組織の滑走性が低下すると、肝臓そのものの可動性が失われます。
内臓にも本来の微小な動きがあり、その動きが制限された状態が続くと排液機能が落ちることがあります。
施術の観察として、右の下位肋骨周囲が硬い方、右肩や右の背中が慢性的に張っている方には、この経路の関与を考えることがあります。
また過去に肝炎・胆嚢炎・胆石などの既往がある方、あるいは毎日のようにアルコールを飲む習慣がある方は、肝臓周囲の組織の滑走性が低下していることがあります。
腰だけを見ていても取れない理由
この経路を理解すると、腰椎や仙腸関節だけにアプローチしても症状が完全に改善しないケースがある理由が見えてきます。
鬱血の源流が変わらなければ、腰まわりの組織をいくら緩めても、時間が経てば同じ状態に戻ります。
当院では、腰の局所的な状態だけでなく、こうした上流の経路に何が起きているかを観察しながら施術を組み立てています。
もちろんこの経路だけが腰痛の原因というわけではありません。
慢性的な腰痛・骨盤帯痛には複数の経路が関与していることが多く、血流軸はそのうちの一つです。
身体の反応が、答えです。
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