画像診断には映らない「痛みの震源地」を探す旅(4)「内臓の滑走不全」が引き起こす痛みのパターン
- 1月22日
- 読了時間: 4分

「腰のMRIは異常なしと言われたのに、痛みは続く」
「右腰だけが決まってつらい。坐骨神経痛のように脚まで響く」
「お腹が張ると、背中まで苦しくなる」
こうした症状は、筋肉や骨だけでは説明がつかないことがあります。
実は、痛みの“震源地”が 内臓の動き(滑走) にあるケースが少なくありません。
内臓は「滑っている」

内臓は、お腹の中で固定された塊ではありません。
呼吸や歩行、体幹のねじれに合わせて、膜(ファシア)と膜の間を“滑りながら”動いています。
ところが、次のような要因が積み重なると、膜が硬くなったり、癒着したりして、滑走が悪くなります。
暴飲暴食(胃腸への負担が慢性化)
強いストレス(自律神経・横隔膜の固着)
手術歴・炎症歴(癒着が残りやすい)
便秘・ガス・内臓下垂(張力がかかり続ける)
この状態を、ここでは 「内臓の滑走不全」 と呼びます。
滑走不全が起きると、内臓は動きにくくなるだけではありません。身体が動こうとするたびに、内側から“引っ張られるストレス”が生まれます。それが、離れた場所の痛み(関連痛)として現れることがあります。
代表的な痛みのパターン
1)右腰の痛み・右坐骨神経痛(肝臓・上行結腸タイプ)

「右腰がいつも張る」「右のお尻〜脚が重だるい」このタイプは、食べ過ぎ・飲み過ぎが多い方に見られやすいパターンです。
右側にある 上行結腸 は、重力に逆らって内容物を運ぶ構造のため、負担がかかりやすい場所です。
ここで膜の緊張が強くなると、腸を支える膜と背中側の筋膜が連動して硬くなり、結果として
腰方形筋(腰の奥の筋肉)
大腰筋(股関節をまたぐ深層筋)
といった“腰のコア”に常に緊張が入り、右腰が抜けなくなる ことがあります。
「腰を揉んでも、その場は楽でもすぐ戻る」
その理由は、背中の筋肉が原因ではなく、内側の張力が解除されていない可能性があるからです。
2)お腹の硬さと背中の痛み(腹圧・横隔膜タイプ)

お腹が出ている、ガスが溜まって張りやすい、食後に苦しくなる。このような状態が続くと、腹部の内圧(腹圧)が乱れ、以下が機能不全を起こします。
腹横筋(お腹の“コルセット”)
横隔膜(呼吸の主役)
本来、腹横筋と横隔膜が働くことで、体幹は「内側から支えられ」ます。
しかしここが崩れると、身体は安定性を確保するために、代償として
背中側の筋肉(脊柱起立筋など)
首・肩の呼吸補助筋
を過剰に使い始めます。
つまり、背中の筋肉が“弱いから痛い”のではなく、内側の支え(腹圧と呼吸)が失われた結果、背中が頑張りすぎて痛むという流れです。
このタイプは、「座っているだけで背中がつらい」「息が浅く、いつも身体に力が入っている」といった訴えがセットで起きることが多いのも特徴です。
なぜ「画像診断」に映りにくいのか
滑走不全は、骨折や腫瘍のように“形”が変わる問題ではありません。
膜の硬さ、癒着、呼吸の質、腹圧の崩れ、内臓が動くたびに生じる張力。
こうした “動きの問題” は、画像だけでは評価しきれません。
だからこそ、「検査では異常なし」でも、本人は確かに痛い、つらい、戻る、という現実が起こります。
当院がみるのは「痛みの場所」ではなく「張力の起点」

当院が大切にしているのは、痛い場所を追いかけるのではなく、身体の内側から生じている張力(テンション)の起点を見つけることです。
どちら側(右/左)に張力が集まっているか
呼吸で腹部が動いているか(横隔膜が働いているか)
腹圧が入らず、背中が代償していないか
内臓の膜の滑走が、どこで止まっているか
こうした評価を積み重ねて、身体全体の連動を取り戻していきます。
変化は「静かに」出てきます
内側の張力が抜け始めると、最初に起こるのは派手な変化ではありません。
呼吸が深くなる
お腹が柔らかくなる
背中の無駄な力みが減る
眠りが深くなる
それが、身体が“戦う姿勢”をやめ始めたサインです。
「右腰が抜けない」「お腹が張ると背中が痛い」方へ
長年の腰痛が「腰そのもの」の問題とは限りません。
もし思い当たることがあるなら、一度、身体の内側(滑走)に目を向けてみてください。
ご予約・お問い合わせは、予約ページよりお進みください。
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