「横隔膜が硬い」の、その奥で起きていること
- 7月4日
- 読了時間: 4分
——身体の中の、見えない水と圧のはなし——
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「横隔膜が硬いですね」
そう言われても、多くの人はピンとこない。そもそも横隔膜は自分では触れないし、硬いと言われても実感がない。
そして、もっと大事な問いが残る。
なぜ、横隔膜は硬くなるのか。
その答えは、多くの人が思うより、ずっと奥にある。横隔膜という一枚の筋肉の話ではなく、身体の中で起きている、見えない現象の話だ。
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身体の中は、乾いていない
まず、意外に知られていないことから。
お腹や胸の中の臓器は、むき出しのまま、こすれ合っているわけではない。胃も、肝臓も、肺も、一つひとつが薄くなめらかな膜に包まれている。この膜を、漿膜(しょうまく)という。
そして膜と膜の間は、わずかな水分で満たされている。漿液(しょうえき)と呼ばれる、身体の中の潤滑液だ。
この潤いがあるから、内臓は呼吸のたびに、たがいに滑らかに滑ることができる。
濡れたガラスは滑る。でも、乾くと貼りつく。身体の中の臓器も、同じだ。潤って、滑って、はじめて自由に動ける。
この「滑り」が、身体が動くための、静かな土台になっている。
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身体の中は、絶妙な「圧」で保たれている
もう一つ、大切なしくみがある。圧だ。
胸とお腹の中は、一定の圧——わずかな陰圧(いんあつ)——でバランスが保たれている。この圧があるから、呼吸のたびに横隔膜がなめらかに上下し、内臓が正しい位置に収まっていられる。
吸盤が壁につくのは、中の圧が保たれているから。身体の中も、この見えない圧で、そっと支えられている。
潤いと、圧。この二つが整っているとき、身体の中の臓器は自由に滑り、横隔膜はのびのびと動く。
問題は、この繊細なバランスが崩れたときに起きる。
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一か所の乱れが、全体に伝わる
臓器を包む膜は、それぞれが独立してぶら下がっているわけではない。
膜と膜は連結し、靭帯でつながり、身体の中で一つの大きなネットワークをつくっている。すべてが、つながっている。
だから、どこか一か所で滑りが悪くなったり、圧のバランスが乱れたりすると——その緊張は、膜の連結を伝って、離れた場所へと広がっていく。
ある場所の小さな貼りつきが、膜を通じて引っぱり合いを生み、別の場所に硬いしこり(硬結)をつくる。
一枚の大きな布の端を引っぱると、遠くの部分にシワが寄る。身体の中の膜も、そうやってつながっている。
つまり、身体の中で起きていることは、いつも一か所では終わらない。
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横隔膜の硬さは、「結果」にすぎない
ここまで来ると、最初の問いに答えられる。
なぜ横隔膜は硬くなるのか。
それは、横隔膜そのものの問題ではないことが多い。その奥で、膜の滑りが失われ、圧のバランスが崩れ、内臓を包む膜同士が引っぱり合い、緊張が連鎖している。
横隔膜は、胸とお腹の境目にあって、この膜のネットワークの中心にいる。だから、身体の中のどこかで起きた乱れが、最も現れやすい場所でもある。
横隔膜だけをほぐそうとしても戻るのは、原因が横隔膜の外——身体の中の水と圧と膜のネットワーク全体にあるからだ。
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東洋医学が見ていた「水」と「巡り」
ここで、一つ書いておきたいことがある。
この「身体の中の水」の話を、東洋医学ははるか昔から知っていた。
東洋医学では、身体を巡るものを気・血・水(すい)の三つで捉える。そのうち水の巡りが滞ると、身体は重くなり、むくみ、動きが悪くなるとされてきた。
膜の間を満たす漿液。その滑り。現代の解剖が顕微鏡で見る「水」と、東洋医学が二千年前から語ってきた「水」は、別のものではない。同じ一つの身体を、違う言葉で語っているだけだ。
身体は、一つだ。西洋医学の膜と、東洋医学の水を、分けて考えること自体が、本当は不自然なことなのかもしれない。
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円命堂が診ているもの
円命堂が横隔膜を診るとき、見ているのは横隔膜だけではない。
その奥にある膜の滑り。圧のバランス。内臓を包む膜の連結。靭帯の緊張。そして、それらが引っぱり合ってつくる硬結の連鎖。身体の中の、見えないネットワーク全体を読み解いていく。
強く押すことでも、無理にほぐすことでもない。どこで滑りが失われ、どこで圧が乱れ、どこから緊張が広がっているのか。それを丁寧にたどっていく。
横隔膜が硬い。呼吸が浅い。背中が張る。胃の調子が悪い。自律神経が乱れている——これらは、ばらばらの症状に見えて、身体の中の一つのネットワークの乱れが、別々の場所に現れたものかもしれない。
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「横隔膜が硬い」という言葉の奥には、身体の中の見えない水と圧の、静かな物語がある。
それを一つずつ解いていくことが、戻らない身体への道になる。
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身体の反応が、答えです。——円命堂くらしき
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呼吸が浅い、深く息が吸えない、背中や胃の張りが続く——その奥に、身体の中の膜と水の乱れがあるかもしれません。倉敷の整体院・円命堂くらしきが、身体全体のつながりから読み解きます。
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