肩こりと自律神経
- 6月27日
- 読了時間: 5分
——緊張がほどけない身体のしくみ——

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「緊張すると、肩が上がる」
誰もが経験したことがある。会議の前。気が張る場面。気づくと肩が耳に近づいている。
これは一時的なものだ。緊張が解ければ、肩も下りる。問題は、その緊張が解けないまま、何年も続いている人がいることだ。
肩が下りる場面が、人生からなくなってしまった身体。
慢性的な肩こりの奥に、この「ほどけない緊張」があることがある。そしてそれを司っているのが、自律神経だ。
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はじめに——分けないこと
自律神経の話をする前に、一つだけ書いておきたいことがある。
これから自律神経という西洋医学の言葉と、気・陰陽という東洋医学の言葉が出てくる。多くの人は、これを「西洋ではこう、東洋ではこう」と分けて理解しようとする。私自身も、油断するとそう書いてしまう。
でも、それは違う。
身体は、一つだ。
自律神経も、気の巡りも、陰陽のバランスも、同じ一つの身体で起きている現象を、別の言語で記述しているにすぎない。東洋医学と西洋医学を分けて考えること——それは実務上は仕方のないことだが、本質を見れば、近代医療が犯した最も大きな誤りの一つだと考えている。
この記事では、あえて分けない。一つの身体に起きていることを、二つの言語を行き来しながら、ひとつながりのものとして書く。
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交感神経が優位な身体、それは「陽」が亢進した身体
自律神経には、交感神経と副交感神経がある。
交感神経は、身体を活動・緊張へ向ける。心拍が上がり、筋肉に力が入り、呼吸が浅くなる。副交感神経は、身体を休息・回復へ向ける。心拍が落ち着き、筋肉がゆるみ、呼吸が深くなる。
この二つは、本来シーソーのように揺れている。昼は交感神経、夜は副交感神経。緊張と弛緩を繰り返しながら、バランスをとる。
東洋医学は、これと同じことを「陰陽」と呼んできた。陽は活動、陰は静養。昼は陽、夜は陰。陽が高まりすぎれば、陰がそれを収める。
交感神経の過緊張とは、陽が亢進し、陰が収めきれなくなった状態だ。これは二つの現象ではない。一つの身体の、一つの状態である。
そして陽が高ぶり続けるとき、身体は常にアクセルを踏んでいる。筋肉は力を抜く許可をもらえない。肩は、上がりっぱなしになる。
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なぜ自律神経の乱れが、肩に出るのか
自律神経が緊張に傾くと、まず呼吸が浅くなる。
呼吸が浅くなれば、横隔膜が働かず、首や肩の筋肉が代わりに呼吸を担う。これは、このシリーズで何度も書いてきた連鎖だ。肩は、呼吸の代役を背負わされる。
同時に、東洋医学でいう「気」が滞る。気は、本来全身を巡り続けるもの。緊張が続くと、その流れが胸や首、肩のあたりで停滞する。気が滞れば、血の巡りも滞る。肩の重さ、こり、痛みは、この停滞が形になったものだ。
交感神経の過緊張と、気血の停滞。繰り返すが、これは別々の話ではない。緊張で固まった身体を、神経の言葉で言えば「交感神経優位」、東洋医学の言葉で言えば「気滞・陽の亢進」と呼ぶ。見ている身体は、同じ一つだ。
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「肝」が高ぶると、人は肩を上げる
東洋医学では、ストレスや緊張と最も深く関わる臓を「肝」とする。
肝は気の巡りを調整する。怒り、イライラ、過度の緊張——これらが続くと肝が高ぶり、気が上へ上へと突き上げる。東洋医学ではこれを「肝気上逆」と呼ぶ。
気が上に突き上げれば、肩・首・頭に緊張が集まる。肩こり、首のこわばり、頭痛、目の奥の重さ。これらは、肝の高ぶりが身体の上部に現れたものだ。
そしてこの「肝の高ぶり」は、西洋医学でいう交感神経の過緊張と、同じ身体の状態を指している。ストレスホルモンが出続け、神経が休めず、上半身が緊張する——肝気上逆という言葉と、交感神経の過緊張という言葉は、一つの現象の表と裏だ。
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円命堂が、肩を「ゆるめる」のではなく「ゆるむ」状態をつくる理由
ほどけない緊張を抱えた肩は、揉んで一時的にゆるめても、また固まる。神経が——気が——まだ緊張の状態にあるからだ。
だから円命堂では、肩そのものを強くゆるめることを目的にしない。身体が自分から「ゆるんでいい」と判断できる状態をつくることを目指す。
呼吸を深められる身体に戻す。横隔膜を動けるようにする。気の流れが上に突き上げたまま止まっているなら、それを下ろす。陽に傾いた身体に、陰が働ける余白を取り戻す。
肩をゆるめるのではない。肩がゆるんでも大丈夫だと、身体が思える状態をつくる。
自律神経は、意志では動かせない。「リラックスしよう」と思ってできるなら、誰も苦労しない。だからこそ、身体の側から——呼吸、横隔膜、気の巡りから——働きかける。
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シーン(顔なし・静かな雰囲気)
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緊張すると、肩が上がる。それは、身体が正直に反応している証拠だ。
問題は、その肩がいつ下りるか。下りる場面が、ちゃんと一日の中に、人生の中にあるか。
肩こりは、肩だけの問題ではない。呼吸、横隔膜、顎、そして自律神経——気の巡り、陰陽のバランス。すべては一つの身体の中で、切れ目なくつながっている。
その一つの身体を、一つのものとして診る。それが円命堂の向き合い方だ。
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身体の反応が、答えです。——円命堂くらしき
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肩を揉んでも戻る肩こり、緊張するとすぐ肩が上がる方、眠っても疲れが抜けない方は、自律神経——気の巡りが関係しているかもしれません。円命堂くらしきが、身体全体のつながりから読み解きます。
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〈次回〉肩こりと内臓——背中の重さは、どこから来るのか
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