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五十肩(四十肩)
何度も治療を受けたが改善しなかった方へ
【重要】最初にお読みください(医療トリアージ)
五十肩(四十肩)と呼ばれる症状の多くは、肩関節そのものだけでなく、身体全体の使われ方や連動の乱れが背景にあるケースが少なくありません。
ただし、すべての肩の痛みが整体の対象になるわけではありません。
以下に該当する場合は、まず医療機関での検査・診断を優先してください。
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安静にしていても強い痛みが続く
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夜間痛が非常に強く、睡眠が妨げられる
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肩や腕を動かさなくても痛みが出る
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左肩〜腕にかけての痛みとともに、
胸部の圧迫感・息苦しさ・動悸・冷や汗などを伴う -
明らかな外傷(転倒・打撲)後から痛みが続いている
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痛みが急激に出現し、日に日に悪化している
これらの場合、心臓・血管系を含む循環器疾患や、炎症・外傷などの医学的評価が必要な可能性があります。
当院は医療機関ではありません。
診断や治療を行う立場ではなく、医療機関で重篤な疾患が否定された後に残る、身体の機能的な問題を評価する場所です。
不安がある場合や、症状の性質がはっきりしない場合は、まず医師による診察・検査を受けることを強くおすすめします。
なお、肩や腕の痛みの中には、身体の使い方や動作とは関係なく、循環器系(とくに心臓)の状態が影響しているケースも存在します。
この場合、脚や体幹の問題とは異なる経路で症状が現れるため、整体による評価の前に、医療機関での検査が最優先となります。
当院では、このような例外を見落とさないことも、大切な判断のひとつと考えています。
五十肩(四十肩)とは(一般的な説明)
五十肩(四十肩)は、肩関節周囲に痛みや可動域制限が生じる状態の総称です。
腕を上げる、後ろに回す、着替えや洗髪などの日常動作で痛みが出やすく、夜間痛を伴うこともあります。
明確な外傷がなく発症するケースも多く、加齢や組織の変化が関与すると説明されることが一般的です。
「治療は受けたのに治らなかった」方の共通点
当院に来院される五十肩の方の多くは、
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病院や施術先を何件も変えた
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注射やリハビリ、運動療法も受けた
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一時的に楽になるが、すぐ戻る
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「時間が経てば治る」と言われ続けた
という経過を辿っています。
ここで大切なのは、これまでの治療が間違っていたという話ではないという点です。
なぜ肩を治療し続けても変わらなかったのか
臨床上、五十肩が長引いている方の多くで、肩よりも先に、足元の使われ方に問題が見られることがあります。
たとえば、
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足関節が硬く、体重を受け止めにくい
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歩行時に左右どちらかに体重が偏っている
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地面からの反力を、脚で吸収できていない
といった状態です。
このような場合、本来は脚・膝・股関節で処理されるはずの負荷が、徐々に上へ伝わり、最終的に肩に集まりやすくなります。
五十肩は、肩関節そのものが弱くなった結果というより、下半身で処理しきれなくなった負荷の“最終的な表れ”として現れているケースも少なくありません。
臨床上、非常によく見られるのが次の状態です。
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肩そのものより、脚や下半身の支持が弱い
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立位や歩行で、体重の乗り方に偏りがある
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体幹が安定せず、肩が身体を支える役割を担っている
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結果として、肩が常に頑張らされている
このような場合、肩は「悪くなった場所」ではなく、全身のバランスを代償している場所になります。
その状態で肩だけを治療しても、身体の使われ方が変わらなければ、
肩は再び同じ役割を引き受け、症状が長引きやすくなります。
なぜ「脚」や「全身の使い方」が関係するのか
身体の負担は、いきなり肩に集中するわけではありません。
多くの場合、
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足関節
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膝
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股関節
といった 下肢の支持機構 で処理されるはずの力が、少しずつ上方へ逃げていきます。
その結果、肩が「動かすための関節」ではなく、身体を支えるための関節として使われ続ける状態が生まれます。
五十肩は、この長い代償の積み重ねが、肩という場所に現れたサインと捉えることもできます。
肩は腕を動かす関節であると同時に、全身のバランスを微調整する位置でもあります。
本来、身体を支える役割は脚や体幹が担います。
しかしそれが十分に機能しない場合、肩や腕が代わりにその役割を引き受けることがあります。
この状態が続くと、肩は「動かすための関節」ではなく、踏ん張るための関節として使われてしまいます。
なぜ施術だけでは戻ってしまうのか
施術によって一時的に身体が整っても、使われ方が変わらなければ、身体は元の状態に戻ろうとします。
これは回復を妨げているのではなく、身体がこれまでの使い方を「安全な状態」として記憶しているためです。
ここで必要になるのが、使われなくなった機能を取り戻す工程です。
当院が重視する「機能回復運動」
当院では、機能回復運動を単なる運動指導やトレーニングとは考えていません。
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鍛えるための運動ではない
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頑張らせるための運動でもない
施術で整った身体が、本来の役割分担に戻るための“再教育”として位置づけています。
五十肩の場合も、
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肩を無理に動かす前に
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肩が頑張らなくていい身体をつくり
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その状態を身体に定着させる
この流れが欠かせません。
当院の立ち位置
当院では、五十肩を「肩の問題」として完結させません。
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なぜ肩に負担が集まったのか
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なぜ左右差が固定されたのか
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なぜ脚や体幹が使われなくなったのか
こうした 全身の構造と使われ方の流れ を評価し、施術と機能回復運動を組み合わせて進めます。
結果として、肩をどうにかする前に、肩が頑張らなくていい身体に戻すという順序になることが少なくありません。
あわせて読んでいただきたい関連ページ
五十肩を「肩だけ」で終わらせないために
五十肩は、肩関節単独の問題として見るよりも、全身のどこで負担が処理されていたかという視点で捉えることで、理解が深まるケースがあります。
以下のページでは、五十肩の背景として関わりやすい要素を、それぞれ異なる角度から整理しています。
五十肩と診断された方の中には、次のような要素が関係しているケースもあります。
▶ 背中・体幹・支持の問題
→ 背中のこり・痛み
▶ 顎や頭部の緊張
→ 顎の違和感・食いしばり
▶ 自律神経や睡眠との関係
→ 自律神経の不調
→ 眠りが浅い・不眠傾向
▶ 使われなくなった動きを取り戻すために
→ 機能回復運動の重要性
※すべての方に当てはまるわけではありません。
一般的に知られている対処法について
運動療法や注射など、一般的に知られている対処法については、身体の構造と機能を踏まえた形で当院のメンバーサイトに整理しています。
本ページでは、
「なぜ同じ五十肩でも経過が大きく違うのか」
という視点を大切にしています。
当院の施術は、このような方に向いています
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肩を治療し続けても変化がなかった
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肩以外に原因がある気がしている
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その場しのぎではなく、再発しにくい形を望んでいる
向いていない方
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肩だけを集中的に治療してほしい
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一度で痛みをなくしたい
※当院は医療機関ではありません。
医学的な診断・治療行為は行っておらず、
医療機関での受診・治療を否定するものではありません。
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