
坐骨神経痛
腰から脚の痛み・しびれは「坐骨神経そのもの」だけの問題ではありません
お尻や脚に走る痛み・しびれ。
「坐骨神経痛」と呼ばれるこの症状は、
実は 坐骨神経が直接圧迫されているケースはごく一部 です。
多くの場合、その背景には
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内臓の膜(漿膜・間膜)の緊張
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神経反射による筋の過緊張
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ファシア(膜)の滑走不良
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呼吸と腹圧の乱れ
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仙腸関節や骨盤内臓の影響
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生活習慣・体幹バランスの崩れ
といった “体全体の異常連鎖” が深く関わっています。
レントゲン・MRIで「異常なし」と言われても痛む理由はここにあります。
■ 坐骨神経痛は “坐骨神経が悪い” わけではありません
症状の本質は、「神経を取り巻く環境の乱れ」
坐骨神経は腰椎から出て仙骨・お尻を通り、
太もも・ふくらはぎ・足へと伸びる人体最大の神経です。
その神経を取り巻く環境が乱れていると、
以下のようなルートで痛みが出ます。
■ 1. 内臓(上行結腸・下行結腸・腎臓)の膜ストレスによる反射
右側の坐骨神経痛 → 上行結腸の膜緊張
左側の坐骨神経痛 → 下行結腸の膜緊張
このように、腸の膜の緊張が梨状筋・大腰筋・腰方形筋へ反射 し
坐骨神経の走行上で痛みを引き起こします。
内臓の緊張があると…
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梨状筋が硬くなる
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坐骨神経の出口が狭くなる
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お尻〜脚にかけて痛みや痺れ
という状態が簡単に作られます。
■ 2. ファシア(筋膜)の滑走不良が “神経の通り道” を妨げる
坐骨神経は ファシアのトンネルの中を走っている ため、
膜の滑りが悪くなると神経が引っ張られるように痛みます。
関わる膜は:
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トルト筋膜(右側は特に関与)
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後腹膜
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腸骨筋膜
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横筋筋膜
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梨状筋筋膜
これらは 腰、骨盤、股関節、腸、横隔膜 と全てつながっています。
つまり、坐骨神経痛は「お尻を押せば治る」ような単純なものではありません。
■ 3. 横隔膜の緊張と“腹圧の乱れ” が腰椎〜仙骨をゆがめる
横隔膜が硬い
↓
腹圧が乱れる
↓
大腰筋・腸骨筋・梨状筋が常にテンションがかかる
↓
坐骨神経痛が再発しやすい
肺・胃・肝臓が靭帯で横隔膜につながっているため、
内臓疲労が呼吸の異常→骨盤の異常→坐骨神経痛へと連鎖します。
■ 4. 仙腸関節(SIJ)と骨盤内臓の影響
坐骨神経は仙骨の前面を走行するため、
仙骨のわずかな傾きや骨盤内臓(腸・膀胱・子宮 など)の膜緊張が
直接的に神経の緊張を引き起こします。
整体院ではあまり触れない領域ですが、
臨床では非常に重要です。
✔ 結論:坐骨神経痛は「部分の問題」ではなく 全身の連動障害 によって起こる
だからこそ、
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マッサージ
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電気
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ストレッチ
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一時的なトリガーポイント刺激
だけでは改善しにくいのです。
■ 当院のアプローチ
“整える” のではなく、身体が整う条件をつくる
当院の施術は、坐骨神経痛を
「腰・お尻の症状」ではなく、
“全身の機能連動の乱れが生んだ結果”
として捉えます。
◆ 内臓 × 膜 × 神経反射の徹底評価
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上行結腸・下行結腸の膜緊張
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腎臓の下垂
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後腹膜の滑走不良
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横隔膜の硬さ
これらを丁寧に読み取り、痛みの背景を特定します。
◆ ファシア(膜)の滑走改善
強い圧ではなく、
身体が自ら緩み始める「起点」を探りながら
膜のネットワークを調整していきます。
◆ 神経系の負荷を下げるアプローチ
内臓反射・交感神経の過緊張を整え、
神経が“余裕を取り戻す環境”をつくります。
◆ 呼吸 × 姿勢 × 体幹バランスの再教育
横隔膜・肋骨・骨盤の連動が整うと、
坐骨神経への負担は大きく減ります。
必要に応じて、
FMT(機能的動作改善) も併用します。
■ 坐骨神経痛は「1回で治るタイプ」の症状ではありません
痛みが一時的に軽くなることはありますが、
慢性化している場合は 段階的に改善するプロセス が不可欠です。
▼ すでに当院に通われているお客様へ(重要)
坐骨神経痛の より専門的な背景(内臓・間膜・神経・滑走・仙腸関節など)は客様専用の クローズド解説ページ にて公開しています。
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内臓と梨状筋の反射
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トルト筋膜の臨床的意義
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骨盤内臓膜と仙骨神経叢
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姿勢・呼吸と坐骨神経痛の相互作用
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再発予防のメカニズム
※ パスワードは継続利用中の患者様へお伝えしています。
※ 最終来院から半年以上経過した方への再発行は行っていません。
※ パスワードは短期間で変更になります。
■ ご予約・お問い合わせ
「本気で改善したい」
「坐骨神経痛を根本から整えたい」
その思いを大切に受け止めながら、
あなたの身体が整う条件を、一緒に整えていきます。
注意事項
当院のページでは、内臓・膜(ファシア)・神経反射・呼吸・姿勢など、
一般的な整形外科的検査だけでは捉えにくい “機能的な要因” にも着目しています。
これらの内容は、
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解剖学・生理学
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海外徒手療法(オステオパシーなど)の教育体系
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実際の臨床における反応・再現性
をもとに構成されています。
ただし、坐骨神経痛のメカニズムの一部は、
現時点では国内外で統一された明確な診断基準が存在しない領域 でもあります。
そのため、本ページの記載は
「一般的な医学診断とは異なる視点を含むもの」
であり、
必ずしも医学的な“確定診断” を示すものではありません。
医療機関での診察・検査を否定するものではなく、
必要に応じて医療と併用しながら、
「身体機能の回復をサポートするための補完的な視点」
としてご覧いただければ幸いです。
坐骨神経痛は、原因や背景が非常に多様であり、
「すべての方に同じ原因が当てはまる」わけではありません。
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仕事や姿勢のクセ
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年齢
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内臓疲労
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ストレス
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運動習慣
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既往歴
などにより痛みの成り立ちは大きく異なるため、
本ページの内容は あくまで代表的なメカニズムの一例 として説明しています。
中には、より単純な筋緊張が原因になっている場合もあれば、
複数の要因が重なって慢性化している場合もあります。
「自分の症状がどのタイプに当てはまるのか分からない」
という方は、無理に判断しようとせず、
一度ご相談いただければ、
現在の状態を丁寧に評価させていただきます。
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